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第99回  地域の防災拠点としての大学の役割@工学院大学③

今週も先週に引き続き、「まるちゃん」こと法政大学の丸岡美貴と事務局の伊藤でお届けします。工学院大学建築学部まちづくり学科の村上正浩先生と、グローバルリンク代表の市居嗣之さんからお話をお伺いしました。前回は主に村上先生の研究内容と、地域防災拠点としての大学の取り組みについてお話しを伺いました。今回は、地域防災拠点としての大学の取り組みに加え、東日本大震災時の工学院大学の学生による活動についてお話をお伺いします。

まるちゃん:
授業の中で、上級救命講習を受けていたり、この授業がきっかけで、防災士も何人も輩出していると聞きました。

村上さん:
毎年輩出しております。

まるちゃん:
防災士の資格の取得は、授業内で行われているのですか?

インタビューに答える村上さん(右)と市居さん(左)
インタビューに答える村上さん(右)と市居さん(左)

村上さん:
資格の取得は外部なのですが、最近、東北福祉大学が、防災士を認定できる機関になったので、本学で授業をとっている学生が授業の一環として、向こうの大学へ行き、防災士の資格を取れるようになりました。また本学では、授業ではなく、外部でこの資格を取ろうとしている学生にも、金銭的に支援しています。それは、この資格を持つ学生がどんどん増えていけば、学校にとってもおおきなメリットがあります。授業内で使用する消火器は1本5,000円もしますが、それも学校側で費用は負担します。このような大学側の姿勢というのは、やはり、防災の一環として、メリットになるからです。

まるちゃん:
資料には、普通救命講習を受けた人が345名、災害救援ボランティア講習(上級救命講習)を受けた人が112名、防災時研修講座を受けた人が31名、減災学入門(上級救命講習)を受けた人が186名と、多くの学生が資料内に載っている2008年から2012年の間にも出ています。

伊藤:
この講座は学生からの人気はありますか?

村上さん:
とても人気があり、毎年大勢の受講希望者の中から抽選を行い、授業を行っています。やはり、資格という面で、就職活動の際に他の人との差別化になるというのも学生にとっては魅力的なのかもしれません。

まるちゃん:
ここまで、学生が関わる防災の話を中心にしてきましたが、この防災ラジオも、私たち学生が発信することで、同じ年代の学生にも防災意識を持ってもらいたいという思いでやっています。工学院大学の建築学部は日本で初めての建築学部ということで、建築の学問を学んでいる学生だからこそ出来ることというのも、あると思います。東日本大震災の際も、工学院大学は被災地へ支援をしに行ったと聞きました。お話を聞いた際に驚いたのが、即日設計というダンボールを使用し、3時間ほどの時間でクローゼットを10個も作ったそうですね。

村上さん:
その時は、やはり災害時ということで、10人近くの人数で力を合わせて頑張りました。普段から、建築学部の学生というのは、図面を書いたり模型を作ったりしてトレーニングしているので、そのような素早い設計もできます。
ですから、被災地の支援活動をするときでも、がれきを運んだり、泥かきをしたり、被災された方のお話を聞くなど、様々なボランティアがありますが、建築学部の学生が普段学んでいることを生かせるような分野の支援として、物を創るということだと思います。避難所が非常にごった返している中で、個人のパーソナルスペースを確保するために、間仕切りの製作も行いました。その際、現地の要望を聞き、すぐさま製作することで、実情にあったものを作ることができました。その他にも、要望があった、テーブルや椅子を利用する方に合うように、即日設計しました。

まるちゃん:
数センチの設計の差が、使う人によって大きな差となりますから、そういった要望を取り入れながら設計するというのは、とても素晴らしい取り組みだと思います。

担当

鎌田 隼人(法政大学)

鎌田 隼人(法政大学)

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