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第86回  国立歴史民俗博物館の展示「歴史に見る震災」に行ってきました②

 今週も「でんりゅう」こと東洋大学の吉田 龍平が担当いたします。先週に引き続き千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に「歴史から見る震災」の企画展を見に来ました。今週も原山 浩介准教授にお話を伺っております。

 

Q.企画展「歴史から見る震災」の反応はいかがですか?

 まだアンケート結果がまとまっていないのではっきりとしたことは言えませんが展示室を見ていると今回熱心にパネルの文字を見ている方が多かったです。今回の展示は博物館の展示としては文字が多く説明的でした。文字が多すぎると思っていたら皆さん熱心に読んでいたのでこの企画展に高い関心を持って来ていると思いました。

 東日本大震災を経験することを通して、戦前の知らない今とは切り離された震災として見ていたものが、今の我々と関係しているという認識に変わってきています。これは1,000年前の震災もそうです。

 古い時代のできごと、全く別の場所で起こった震災を「自分の問題」として考えるきっかけを東日本大震災では得てきているのかもしれません。

 

インタビューに答えてくださる原山さん
インタビューに答えてくださる原山さん

Q.企画展に来る年代層はどんな感じですか?

 調査結果はまとまっていませんが私の印象で言いますと年齢幅が広いと思いました。案外若い方が多く他にもお年を召した方、カップルで来ている人もいました。幅広い方々に見ていただけていると思います。

 

Q.自分が展示を見る中で感じたのですが、戦時中にも震災がありましたがほとんど資料が無いのはどうしてですか?

 いくつか理由があります。戦時中に起こった地震は政府側から戦意を喪失しないように派手な報道は制限されていました。実は戦時中には大きな地震が何回か起きていました。大きい所では1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年の三河地震とどの自身も死傷者1,000人を超える被害がありました。あまり全国レベルでの報道は抑制されていたというのがまず1つです。

 戦争という事態が人に与えている影響も大きいです。1944年になってくると空襲が行われるようになってきます。展示の中で紹介していた愛知県半田市ですが、1944年に風水害がありそのあと東南海地震が発生しました。翌年1945年には三河地震に襲われ、空襲が来ます。そうなると地震は何回か起こることはありますが、空襲があった後また地震が起こると後々地震のことだけがクローズアップされることは無くなります。報道の抑制だけではなく戦争があったから見えにくくなってしまうという問題もあります。

 東南海地震が発生したときの滋賀県の区長が記した手記に地震で家が壊れたといった情報もありますが次のページに警戒警報といった戦争の話も出てきます。地震のことも大事ですが空襲のことも考えないといけないという事情があり、表に出なかったところもあります。

 

 今週も国立民俗歴史博物館で准教授をされている原山浩介さんにお話しを伺いました。来週も引き続きインタビューの模様をお送りします。

担当

吉田 龍平(東洋大学)

吉田 龍平(東洋大学)

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