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リサーチ部

第74回 進化した防災訓練②(図上訓練)

今週もIVUSA事務局兼理事の伊藤がお届けします。前回に引き続きましてIVUSA危機対応研究所の宮崎猛志所長と日本大学4年園田有斗と一緒に「防災訓練」をテーマにお話を伺いました。

伊藤:
先週はアミューズメント性の高く参加しやすい防災訓練についてお話を伺いましたが、今回はもう少し掘り下げた話を伺っていきます。そこで今回は図上訓練についてお伺いします。まず図上訓練とは何ですか?

宮崎所長:
もともとは軍隊などが戦略を練る際に行っていたものを、地域づくりやまちづくり、なによりも地域の資源を自分たちで発掘する、再認識することを目的に行っています。
特に地域が被災するとどうなるのか、地域にどのような災害に立ち向かえる資源があるのかというのを、その地域に住んでいる人たちが地図の上でいろんなことをイメージしたり、書き込んでいったりというのがベースになる訓練を広く図上訓練と呼んでいます。

伊藤:
以前ラジオでも実際に街歩きをしながらどんな資源があるかなどを地域の方と一緒に学生たちが調査するというのをやったことがありました。その時に再発見が多くありました。

宮崎所長:
そうですね。見ている目線、視点によって全然違うところに気が付くので、大人だけでやるバージョンや、地域の子供たちの視線でやるパターンなど、いろんなことを組み込むことができます。なにより大勢の人が参加することができ、全員が当事者として関われる。誰も傍観者がいないということを考えると、非常に参加性の高い訓練だと思います。

伊藤:
園田くんもこの訓練に参加したそうですね。

園田:
僕も以前お手伝いをさせていただきました。すごく大きな地図に地域の皆さんが自宅の場所を把握した後に、どこに貯水タンクがあるか、消火器があるかなどを思い出して、火事が起こった際にはどのように避難するか、この道は倒壊するのではないかなど話し合いながら、いざという時の備えとしてやっていたのが印象的でした。

伊藤:
実際何人くらい参加しますか?

宮崎所長:
川崎市の中原区の地域の方々が防災に取り組んでいきたいということだったので、その地域の方々や、新しくできた高層マンションに住んでいる方たち、駅の再開発に伴ってどのような街づくりをしていこうかと考えている人たちなど、いろんな価値観を持っている方、考えを持っている方々が100人弱くらい行政の方々も含めて集まっていただきました。そして各テーブルに園田くんなどIVUSAの学生がついて、地域の方々と一緒にワークショップを半日くらい。

園田:
半日ほどかけてやりましたが、それでもみなさん疲れることなく真剣に取り組んでいました。

伊藤:
小学校の時の避難訓練とはぜんぜん違いましたか?

園田:
はい。無理やり参加しなければという感じとは違い、みなさんとても積極的にやっていました。

伊藤:
たとえばこのラジオを聞かれている方もこのような図上訓練に参加してみたいという場合にはどうすれば参加できますか?

宮崎所長:
一番スタンダードなのは国土地理院が地図を出しているので、それで自分の住んでいるところの地図を準備します。もし古地図があれば、その地域がどういった場所であったのか、たとえば昔そこに池や水田があったとしたら少し地盤が悪いのではないかとか、埋め立て地だったのかどうかなどがわかります。
あとは各自治体でハザードマップを出しています。これは、洪水や大雨が起きたらどうなるのか、地震の時にはどれくらい揺れるかなど、地域ごとの一番危険度の高い災害をマップにしたものです。その三つを重ねていくようにしてみていくのがベースになります。
その後に自分たちが考えたシナリオや、問題にしたいテーマなどにのっとって地図上に書き込んでいく。あとは自分たちの知っている資源、地域のリスクを書き込んでいくというのがこの図上訓練になります。

伊藤:
必ずしも専門家の方がいなければいけないというわけではないですか?

宮崎所長:
はい。防災と考えるとハードルが高く感じますが、基本は地域づくりという形で自分たちだけでやる。実際災害が起きたときは専門家の方たちが助けに来るわけではないので、地域の方たちだけでどのように備えるのかというのを考えるきっかけにこの図上訓練を活用していただければと私は思います。

伊藤:
2週にわたって進化した防災訓練につてお話していきました。宮崎所長、園田さん、ありがとうございました。

担当

高橋 七望(東洋大学)

高橋 七望(東洋大学)