HOME > リサーチ部 > ちよだボランティアセンター長の片倉 裕司さんに聞く①~地域のボランティアセンターとは?~

リサーチ部

第71回 ちよだボランティアセンターの片倉 裕司センター長に聞く②~千代田モデルとは?~

今回も前回に引き続き、ちよだボランティアセンターでセンター長を務めていらっしゃる片倉 裕司さんにお話を伺いました。インタビュアーは「ななみん」こと東洋大学の高橋 七望です。

ななみん:
ちよだボランティアセンターでは、千代田区の大学や団体と協定を結んで活動していて、それを「千代田モデル」と呼んでいるとお聞きしたのですが、それはどのようなものですか?

片倉さん:
千代田モデルというかっちりしたモデルがあるわけではなくて、正直言うとこれから作り上げていこうという段階です。
前回もお話ししましたが、千代田区の人口は5万人ほどなのですが、住んでいないけれども千代田区の学校に通っている学生さん、千代田区の企業に勤めている方を含めると85万人から100万人ほど人がいるといわれています。もし平日の昼間に災害が起こってしまったときに、人口5万人の千代田区民だけ助ければ良いのかという話ではなく、85万人から100万人の人すべてが被災者になるわけなので、その人たちをどう支援していくのかを考えていかなければいけません。
逆に言えば、住民同士の助け合いはもちろんですが、学生や社会人の方たちにもボラティア側として参加してもらうという発想もあると思って、そこで千代田モデルというのを作っていこうとなったわけです。要は住民だけでは支援活動というのは成立しないので。千代田区の利点を生かして皆さんのような大学生やNPO・NGO、ボランティア団体とも関わっていこうというものです。

ななみん:
私は神奈川に住んでいるのですが、東京の大学に来ていて、実際災害が起こった時、とても不安です。このような場合ってどうすればいいですか?

片倉さん:
大きな災害が起こったときって、電車が止まってしまって家には帰れなくなってしまう。それって被災したっていうことだと思いますが、今回3月11日の東日本大震災の時は東京も揺れたけれども、けが人が多数出たとか、建物が倒壊したというのはほとんどなかったわけなので、学生の皆さんは家には帰れなかったけど元気だった。
そこで、少し良いエピソードがあって、3月1日の当日、当然千代田区もたくさんの帰宅困難者が溢れていたのですが、近くの共立女子大学の学生さんから夜、電話がかかってきました。「今、私は被災して電車が止まって家に帰れないけど、けがもしてなくて、家族の無事も確認できたので、何かボランティアできませんか?」と言われたんです。
よく話を聞くとIVUSAの学生さんだった。IVUSAと私たちは協定を結んでいて、一緒に防災訓練をやるなどして関係ができていた。そこでその学生さんは地震が起きたときに私の顔が浮かんだん他と思いますけど、それで声をかけてくれました。
そしてその翌日、実は千代田区のいろんな人から困っているという相談がきて、その子に電話して、時間のある学生さんを呼んでくれると聞いたところ、5人ほど呼んでくれました。その5人のIVUSAの学生さんにガスの安全装置を直してほしいとか、戸棚が倒れたのを直してほしいというお手伝いに行ってもらいました。というそんなエピソードがあります。

ななみん:
事前に協定を結んでいて顔見知りだったからこそできた活動ですね。

片倉さん:
そうですね。たぶんその学生さんは一緒に訓練にも参加していて、地震が起きたときに、千代田ボランティアセンターの片倉さんって人いたなと思いだしてくれたのだと思います。

ななみん:
IVUSAなどの大学との関わりについてお話をお伺いしましたが、他にもNPOなどの大学ではない団体との関わりもあると思いますが、そちらの方はどのようになっていますか?

片倉さん:
それはこれからの課題でもありますが、千代田区にはNPO法人が500~600くらいあります。そしてご存知のとおり企業もたくさんありますので、その人たちとも連携を図っていきたいと考えています。
企業については企業ボランティア連絡会という組織があって、企業の社会貢献やボランティア担当の職員の方たちのネットワークを私たちが事前に作っています。それは普段は災害とは関係なく一緒に千代田区のボランティアプログラムをやっているという関係です。その関係は当然災害でも活かしていけるじゃないかなと思っています。
NPOの場合、過去の災害では被災地にたくさんのNPOが入って活躍したと聞いていますが、なかなかNPO同士の横の連携は簡単ではなく、うまく調整がつかないという悪い例がありましたが、そこのところは千代田区の強みで、たくさんの団体があって、うまくネットワークつくれれば、役割分担とかもできるのではないかなと考えています。

ななみん:
次回はもっとこの千代田モデルを掘り下げてお話ししたいと思います。今回もありがとうございました。

インタビューに答えてくださる片倉さん
インタビューに答えてくださる片倉さん

担当

高橋 七望(東洋大学)

高橋 七望(東洋大学)