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リサーチ部

第62回 災害ボランティアセンターとNPO・NGOの連携のあり方は?

 先週に引き続き、IVUSA事務局兼理事の伊藤がお届けします。先週は災害ボランティアセンターができるまでの歴史、どのような人が担っているのかについてお話を伺いました。
 最終回である今回は、今後災害ボランティアセンターと私たちIVUSAのようなNPO・NGOなどの民間の団体との連携について考えていきたいと思います。先週に引き続きIVUSA理事で危機対研究所の宮崎 猛志さんとIVUSA事務局の深山 恭介さんにお話を伺っていきます。よろしくお願いします。

宮崎、深山:
 よろしくお願いします。
伊藤:
 全国社会福祉協議会が災害ボランティアセンターの運営者研修10月16日から18日の3日間行ったそうですが、そこに深山さんが参加したということで、まず、その研修についての話をお聞きしたいと思います。
深山:
 参加されたのは、北海道から沖縄含め全国の市町村の社会福祉協議会の職員さん、都道府県の社協、NPOの外部支援の方たちでした。
 その中で「そもそも災害ボランティアセンターとは何か?」というところから始まり、災害ボランティアセンターを運営することが多い社会福祉協議会が応援に来てくれた地域ボランティアの方たちを効率よく、適材適所で役割を振っていくかというところについて考えました。特に過去にあった東日本大震災・中越地震などの事例を基にしてのグループワークが多かったですね。
伊藤:
 実際、「県外ボランティアさんはお断り」というようなケースが多いですが、どうしてそうなってしまうのですか?
深山:
 理由は大きく分けて二つあります。
 一つは宿泊する場所の問題です。県外の方や、土日を挟んできて来てくれる方たちにはそのような場所が必要なのですがその確保ができないんですね。
 もう一つは県外から来てくれた団体が、どのような団体かわからないというケースです。もちろん善意で来てくれる方もいますが中には悪いことをしてしまう人がいるという話が過去にあったため、受け入れるにあたり身構えてしまうのかなということはあります。
伊藤:
 宿泊場所のアテンドが厳しいから自前でやるといった、日帰りで行けることが前提となっているわけですね。
深山:
 やはり、社会福祉協議会や災害ボランティアセンターとなると、そこのアテンドまで手が回らないというのが現状ですね。社会福祉協議会の皆さんは日常的に災害ボランティアにかかわっているわけではありませんので、どういった段階があるのかというのがわからないところから、顔の見える関係というのが一番優先されますね。
伊藤:
 災害救援業界の中では有名でも、災害ボランティアセンターのスタッフから見れば「あなた誰?」、地元住民の方たちが見たら「この人たち誰?」っていうのは当然あるでしょうね。
 でも、災害現場で大きな力になるNPOやNGOなど民間組織の人たちをこれからどう活用するかがとても重要だと思いますが、その展望はどうですか?
宮崎:
 そうですね。今回深山君が参加した社会福祉協議会のスタッフの方たちの研修に外部のNPOの人たちが参加して、お互いに情報交換をしたり知り合いになったりするといったような動きも全国的に増えていますし、東日本大震災をきっかけに支援のフェーズが長期化した場合に対しては、個別の団体は得意なジャンルで活動してもらう意味が浸透してきています。
 今後は災害が起きる前の段階からどういった形の地域の潜在的な需要のようなものを社協の職員の方々が把握していて、そこにこういった支援ができる力をもった団体さんをマッチングする方向に移行していくのではないかと思います。
伊藤:
 なるほど。やっぱり阪神淡路大震災が起こってボランティアセンター制度が確立するのに10年かかったのと同じように、そういう民間団体と災害ボランティアセンターの関係制度、パートナーシップが確立していく途中というような感じなんですかね?
宮崎:
 東日本大震災をきっかけにだいぶそれは進んできていますので、よりその方向は速まっていくのではないかなと思いますね。
伊藤:
 なるほど、わかりました。それでは3回にわたって災害ボランティアセンターのことについて取り上げていきました。みなさんはもしかして被災地に向かった時に、ボラセンの方にお世話になると思いますので「おつかれさまです!」という元気な掛け声をかけて差し上げたらどうでしょうか。
宮崎:
 何よりも忘れてほしくないのが現地の災害ボランティアセンターを運営している方は被災者でもあるということですね。
伊藤:
 それは本当に忘れずに行ってほしいなと思います。ということで3回にわたってお付き合いいただきました、宮崎さん、深山さん、どうもありがとうございました。

担当

花岡 篤史(日本大学)

花岡 篤史(日本大学)