10月19日にテクノプラザかつしかで行われた葛飾区産業フェアにお邪魔しました。
ここで防災に関する製品やサービスをレポートしていきます。
今回はかつしか異業種交流会の高野山さんに「タフレンジャー」についてお話をうかがいました。インタビュアーは上田 歩(中央大学)です。
- 上田:
- 「タフレンジャー」とはどういうものですか。
- 高野山:
- 「タフレンジャー」とは通常2~3人で運ぶ担架を1人で運べるよう開発した担架です。10年ほど前に東北のある港町の要請を受けて開発がスタートしました。その地域は港町なので男性はみんな海へ行ってしまいます。町に残るのは女性しか居らず、その上そのほとんどが高齢者でした。
そのような地域ですと、たとえ4人いても担架を運ぶのが難しくなってしまいます。そこでなんとか1人で運べる担架を作ってほしいとその地域にいた仲間から要請があったのです。そこから約5年をかけて形にしました。今までにも3回ほど試作品を作ってきましたが、現在では小学校高学年くらいの方であれば70~80キロある大人の方でも搬送できるようになりました。
情報の交換を通じ発想の転換を図り、
新製品開発や新事業の開拓に積極的に取り組んでおられます
- 上田:
- それは画期的ですね。
- 高野山:
- タイヤが太く、パンクしない素材を使用しているので、砂利道などの足場の悪い道も簡単に搬送できます。またこの「タフレンジャー」はスタンドがついていて、搬送者が疲れたら休憩ができるというのも利点です。スタンドはベッドとほぼ同じ高さとなっているので、従来の担架でみられるような担架を下した時に傷病者の頭の位置が地面の高さと等しくなることも、それで傷病者の恐怖感を感じるということもありません。
- 上田:
- ハイテクですね。
組み立ててくださる
有限会社システマックス代表取締役の
高野山 文夫さん
- 高野山:
- 担架の中ではこの「タフレンジャー」はすごくハイテクだと思います。私も調べてみましたが、似たようなものはなかなかありませんでした。このようなものを私たちが開発できたことを誇りに思います。去年から少しずつ販売を始めましたが、もっともっと広めていきたいと思っています。
- 上田:
- ありがとうございます。それではここで一度体験をさせていただいてもよろしいですか。
- 高野山:
- どうぞ。さっそく組み立ててみましょう。30秒くらいで簡単に組み立てられますよ。これは二つ折りのタイプですので、広げてスタンドと車輪を動かすだけです。
- 上田:
- これは1人でも簡単そうですね。でんりゅうこと吉田くんに傷病者役を、ななみんこと高橋さんに搬送者役をしてもらいます。
- 吉田:
- 安全ベルトもして、恐怖感は全くないですね。
- 上田:
- 搬送する方も楽に動かせます。全く力を使わずに持ち上げられます。
- 高野山:
- 担架のねじれもないので傷病者の方は安定して走行できます。以前も体験した小学校3年生の女の子が、女の先生を楽に搬送することができていましたよ。今の時代、小学生でも救護する側に立てるのです。
- 上田:
- 誰もが誰をも助けられる時代になっているのですね。ありがとうございました。
女性でも楽々運べます
今回はかつしか異業種交流会の高野山さんに「タフレンジャー」についてお話を伺いました。ありがとうございました!
担当
上田 歩(中央大学)
防ラジのメンバーと(一番左が担当の上田)
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