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第55回 地域の防災力を向上させるためには

 今週は地域防災力向上の取り組みを行っている合同会社グローバルリンクの市居 嗣之さんに、IVUSA理事の伊藤がお話を伺いました。

伊藤:
 今回は市居さんが行っている地域を回りながら防災を考え、倒れてきたら危ないものを発見しようという「地域防災力向上まちなか点検事業」についてお話を伺いたいと思います。実際今までどのような地域でこの取り組みをされてきたのですか。

市居 嗣之さん(渋谷の喫茶店で)
市居 嗣之さん(渋谷の喫茶店で)

市居:
 弊社では東京都の23区を中心に区からの要請を受け、住民の方と一緒に町会を見て回る、ということを仕事として行っています。特に最近では防災、あるいは防犯という面において町中で危険を発見することを目的に行っているのですが、今回は防災についてお話ししたいと思います。
 災害が発生した時、当然街中には様々な危険が潜んでいます。例えば頭上から物やガラスが落ちてくる、あるいはブロック塀が突然倒れてくるといったテレビでもよくお聞きするような被災物体が潜んでいるわけです。これをプロの人間や行政の人間が見つけて周知するのではなく、住んでいる住人が実際に町に出て見つけることで危険をより身近に感じてもらい、町会の日頃の活動の一部に役立てていただきたい。見つけた危険をどのように排除したらいいのか等日頃の活動の中で考えていただくことを目的とした事業になります。
伊藤:
 ありがとうございます。実際にそこに住んでいらっしゃる方に歩いていただくということですが、彼らがそこに詳しいために「もう知っています。」という事態にはならないのですか。
市居:
 それが面白いことに、実際皆さんはそこに住んでいてもその地域をみる視点が異なっているのです。自宅から買い物や学校に行く際、その過程で何があるのか皆さん意外と見ていないことが多く、仮に学校に行くにしてもその学校自体が危険だと意識して歩いているような方は少ないのです。町歩きの事業の中で新しい発見をされる方がほとんどになります。
 また、消火器や消火栓といった災害時に役に立つものは町中でよく目にするのですが、意外な場所にもあることを発見される方もいます。実際町歩きの前に消火器だけ確認してきた、という方でも自分では発見できていなかった消火器を発見する方もいました。実際に住んでいるため身近に感じられる町中でも、町歩きで新たな発見をされる方が非常に多いです。
伊藤:
 なるほど。ところで今度私たちIVUSAの学生が大田区の方での町歩きに参加させていただく予定なのですが、実際にその町に住んでいない彼らに期待することやメリットを教えてください。
市居:
 はい。この事業は町会の方と一緒に行うため、年配の方が多いのです。そうなると年配の方々の視点にどうしても偏ってしまいます。そこに防災のプロの視点がはいるということも必要なのですが、その地域に全く触れたことのない人の視点、そして若い人の視点でみることで地域の方でも意外と見つけられなかったこと等の新たな危険の発見につながります。
伊藤:
 このラジオでもその様子を出来る限りレポートさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

担当

上田 歩(中央大学)

上田 歩(中央大学)