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第54回 NPO法人 命のポータルサイト代表の滝沢 一郎さんに聞く

 今週も東洋大学2年の吉田 龍平が担当します。先週に引き続き、首都防災ウィークにちなんだ、首都防災フォーラムというイベントに参加した中で、つくばFMの井上 雅彦さんと一緒に、NPO法人 命のポータルサイト代表の滝沢 一郎さんにお話を伺いました。

吉田:
 初めに、NPO法人 命のポータルサイトについて教えてください。
滝沢:
 2002年に、当時東京都庁の職員であった槇谷さんの呼びかけによって、都内各地で地域活動している方々が招集され、きたる災害に向け、協力していこうというのがそもそもの始まりでした。
吉田:
 命のポータルサイトさんは、地域防災について深くお考えとのことですが、どのようにお考えですか?
滝沢:
 まず、次の大地震の死者を減らすことが最大の目的です。そのために一番早く出た結論が、建物が壊れなければ、死者を減らすことができる。建物の安全性を高めることが大切です。そのことをより多くの人に伝えていくというのが私たちのミッションであると認識し、行動を始めました。
井上:
 それでは地震に耐えうる建物というのはどういうものなのでしょうか?
滝沢:
 これは、きちんとした検査をしなくてはいけないのですが、大まかに分類すると、1980年以前、築約30年以上のものは、耐震基準そのものが甘かったため、半壊・全壊する可能性が高いです。
 倒壊によって、犠牲者が出るだけでなく、火事の危険性があります。関東大震災の時も、初期段階の火事は130か所でしたが、消火が追い付かないために、東京中が火の手に包まれてしまいました。現代の消防でも、それほど大規模な同時多発火災には対応できないというのが現実です。
 いかに、最初に出る火を少なくするのかというのが重要です。そのためには、初期消火する前に建物が倒れなければ、火の手が広がりにくいのです。そのためにも、建物の耐震化が重要になります。
吉田:
 これから起きるであろう関東大震災では、どれくらいの建物への被害があるのでしょうか?
滝沢:
 さまざまなデータが出ていますが、都内全体で何万棟規模の倒壊、特に、先に述べた昭和55年以前に立てられた建物は高い確率で倒壊するというデータが出ています。
吉田:
 それでは、どう対策すればよいのでしょうか?
滝沢:
 やはり、ご自分の持ち家の場合、立て替えるのが一番よいのですが、耐震改修などの助成金が出ているので、そちらを活用して耐震化するというのもひとつの手です。また、学生の方で、賃貸物件に住んでいる方は、物件の安全性も考えたほうがいいでしょう。
 事実、阪神淡路大震災でも20代の若い人が多く犠牲になりましたが、安さを求め、耐震などの安全性はあまり重視していなかったためと思われます。このことからもわかるように、実は、防災問題というのは、経済問題でもあります。
 経済的に余裕のない方が、災害時でも危険な目に遭うことが多くなってしまうという現実があり、そこをいかに解決していくかというのも、大切な問題です。
吉田:
 こちら、命のポータルサイトさんがおこなっている、日本耐震グランプリについて教えてください。
滝沢:
 これは、今まで耐震補強などの活動に顕著な団体さんを表彰してきました。
吉田:
 ラジオを聴いている大学生に一言お願いします。
滝沢:
 これからの日本を担う皆さんには生き延びてほしい。そのためには、今いる場所で、地震が起きたら動いたほうがいいのか、あるいはその場にとどまったほうがいいのか、絶えず意識して生活していただきたいと思います。

担当

鎌田 隼人(法政大学)

鎌田 隼人(法政大学)