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リサーチ部

第35回 災害時要援護者に対し、大学生は何ができるか?

 先週に引き続き、IVUSA危機対応研究所所長の宮崎 猛志さんへのインタビューをお送りします。担当は、日本大学4年花岡 篤史です。テーマは「災害時要援護者」です。

「災害時要援護者」に、大学生であるわたしたちは何ができますか?
 「普段何ができるのか」ということと「災害が起きたとき何ができるのか」ということに分かれると思います。「若い人には何でもできるんじゃないかな」と私は思います。
 前者ならば、ちょっと語学ができれば、外国人の通訳や翻訳のお手伝いができます。災害が起きたときにも、同じように言葉のわからない方たちのサポートができますよね。普段から、お年寄りや身体の不自由な方の施設でボランティアをしている若者がいれば、災害が起きたときにもそうしたお手伝いができると思います。
 後者ならば、自分たちだけで逃げるのではなく、周囲にいる助けが必要な人たちを助けながら、逃げること。ただ避難するのではなく、避難しながら救助をすること。救助のやり方も「命を助ける」ということも「情報を伝える」ことも必要でしょう。「一緒に避難所に行く」という支援の仕方もあるでしょう。
宮崎さんは「災害時要援護者」の研究をしているとお伺いしました。実際に、どのようなことを研究しているのでしょうか?
 公益財団車両競技公益資金記念財団から助成を受け、「災害時要援護者」と言われる方の避難支援を考える際に必要といわれている、個別の支援プランの作り方について研究しています。
 具体的には「ひまわりカード」というものを作っていこうとしています。一人ひとりに合わせた個別の支援カードです。お名前、病気の症状、普段飲んでいる薬、緊急連絡先や家族との連絡手段などを記載します。
 また、「ハザードマップ」を地域の方にお渡ししようとしています。「ひまわりカード」を作成する際に色々なことをお聞きします。聞き取りした内容と、その方が住んでいる地域の支援または災害の履歴など、すべてを重ね合わせた避難支援のマップを作ろうとしています。
 「避難支援と地域の緩やかな見守り状態、地域の助け合う力を向上させていける方法をご提案させていただこう」という内容の研究事業を行っております。
「災害時要援護者」の支援に対し、わたしたちは何を心がけたら良いのでしょうか?リスナーへのメッセージも兼ねてお願いします。
 まずは「みなさん自身の命をどう守るか」ということが最も大切なことなのではないかな、と思います。災害が起きたときに「災害時要援護者」に対し、色んな支援ができるように。大きな災害が起きたときには、大学生であるみなさん自身が災害時要援護者となってしまう可能性があります。
 東日本大震災以降「災害時要援護者」に関しての考え方も大きく変わってきています。
 「地震災害」に関しては「逃げなくてもいいようにしておく」という考え方になってきています。「自助・公助・共助」といわれるところの「自助」の部分ですね。「家が壊れないようにする」「家具が倒れないようにする」「火事が起きないようにする」といった取り組みをすることで「避難しなくてもいい社会を作っていこう」という方向に大きく変わってきています。
 「水害」は「逃げる時間のある災害」なので、「災害が起きるぞ」という情報をいち早く「災害時要援護者」といわれる方々に知っていただくことで、素早い避難をしていくという方向になっていると思います。
 若い人たちが地域の人たちと一緒になって、地域の防災や「災害時要援護者」といわれる方の避難支援というものを考えていくことは非常に大切なことだと思います。そういった人材が増えていったらいいなと思います。

 先週、今週の2週間に渡って「災害時要援護者」について、宮崎さんにお話を伺いました。宮崎さん、ありがとうございました。

担当

丸岡 美貴(法政大学)(写真中央)

丸岡 美貴(法政大学)(写真中央)