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第105回  学生に期待すること

先週に引き続き、災害対策研究会の釜石徹さんにインタビューしてきました。聞き手は「はなちゃん」こと神奈川大学の花澤達朗です。今回は、学生の皆さんに知ってもらいたいこと、やってもらいたいことについて、お話を伺いました。

 

インタビューに答えてくださる釜石徹さん
インタビューに答えてくださる釜石徹さん

釜石さん:
大きな津波や地震の被害というのはどういうものなのかということを、イメージ的に捉えてもらう必要があるのではないでしょうか?
例えば、南海トラフの地震、それに伴う大津波というのはどういう被害をもたらすのか。その状態で、自分たちがどう動けるか、本当に今防災対策でやっていることができるのか、遠隔地であっても東京であれば長周期振動というものがあり、その長周期振動の実際の被害というのはどうなのか、こういうことが分かって初めて、その被災後の対応ができるのではないかと考えています。
あるいは、被害を受けないような行動をすべきではないかと思います。東京都内でいえば、首都圏直下型地震といわれるのが想定されていますが、震度六強の被害ってどんなのかというのを、きちんとにわからなければいけない。
もちろんこれは神戸で経験していることなので、神戸で発生した地震後の火災のことをご存じであれば、わかると思いますが、東京都内でも、火災が相当出ると予想されています。火災の中で、どう行動できるかというのは、非常に限られてきます。その中で、まず、被害状況がどうかというのをあらかじめ、頭に入れ、イメージしなければ、その次のことがかんがえられない状況になることも考えられます。そこで、我々の持っている映像やノウハウでお伝えしていければと思っています。

また、いわゆる自助・共助ということで言えば、自分が住んでいる地域、家は大丈夫か、ということからまず始めなくてはならないと思います。自分が被災してしまったらいくらほかの方を助けようと思っても話が変わってしまいますよね。ですからいろんなものを用意しておくというのも大事ですが、それよりも先に、住んでいる家は大丈夫かというのを、確認するのが大事だということです。
学生さんであれば、自宅で通っている人は難しいかもしれませんが、下宿や一人暮らしであれば、変えることができると思います。あるいはこれから卒業して、仕事をする、大学を卒業してから行くところでも、選ぶことができると思います。その時の選び方として、意識をしてほしいと思います。
二つ目の共助、つまり、被害が発生したらという話ですが、まず、命を救うということに関しては、家屋の下敷きになっている人の救助救出が最優先であり、救出方法や、救助のための人の集め方や、いわゆる消防団などとの連携や集合場所の確認、救助する道具がどこにあるのか、ない場合はどうするのか、そういうところに目をむけてほしいと思います。後は、火災発見時の初期消火ですね。大地震が発生した時にやらなくてはいけないことは、命、財産を守るということだと思います。

そして、被災地に物が来て分ける、それも、その後の生活には必要ですが、それまでの間、何にもしなくていいというわけではないと思います。ボランティア活動を一言でいうと、被災したどこかに駆けつけてお手伝いする、それはいいことですが、いざ自分が被災した時にどうするのか。物が来るまで待つだけじゃなくて、物が来るまでどうするのかというのを、もっと意識してほしいと思います。

次に、避難する場所に行ったときに、どう行動するべきかというと、避難所にもし集まったときに、要援護者といわれる方をどう優先して支援していくかということを意識していただきたいなと思います。
心身障がい者、高齢者、乳幼児、妊婦さん、けが人、日本語を話せない外国人といった人たちと関連する、高齢者施設、心身障がい者施設、病院、学校などの教育機関、こういったところは、非常時、福祉避難所として開設され、人手不足になることが予想されます。
しかし、行政も、こういった非常時に、各所に人を増やせる状態ではないため、キャパにも限界があります。そこで、近くに住む住人が、そういった方の住む家に行って手伝いをする。その時に、避難所の施設管理者に申し込んで、手伝ってくださいと、お願いするというのは、当然誰でもできることだと思います。
特に、学生さんなどの若い方のほうが、機動力があると思います。そういう意味では、一人ではできないことでも、周りの人も集めて、非常時に進んでスタッフになる。では、スタッフはどんなことをするのかというのを、事前に勉強しておくことが必要です。

担当

鎌田隼人(法政大学)

鎌田隼人(法政大学)

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