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リサーチ部

第10回 渡辺実のぶらり防災・危機管理【10】

防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実さんのオフィスにおじゃましています。

このコーナーは、日経ビジネスオンラインの「渡辺実のぶらり防災・危機管理」と連動しています。

今回も、東京江東デルタ地帯についてお話をお伺いしました。

渡辺実のぶらり防災・危機管理【10】

岩村:
「東京江東デルタ地帯とはどういう場所なんでしょうか?」
渡辺さん:
「東京江東デルタ地帯というのは、河川が埋められた地盤で地番沈下を起こしている場所になります。つまり、海抜0メートル地帯で、荒川の水面よりも低い場所になります。
この地盤の悪い場所に古い木造住宅が密集して建っています。大地震の揺れにより、数多くの住宅がつぶれてしまい、市街地では火災が起きます。
その対策としては、建物を耐震補強することと、火災が起きないようにすることです。
しかし、現実的にこの2つはなかなか進みません。そこで火災から避難する人の為に、東京江東デルタ地帯の防災拠点構想が生まれています。そして、墨田区も同じ状況となっています。墨田区の白髭地区には河川敷の公園があります。ここでは、公園を囲うように城壁の様な住宅を建てました。この城壁で火災を食い止めましょうということなんです。」
岩村:
「ここは住宅なので、人が住んでいるのではないのでしょうか?」
渡辺さん:
「そうなんです。この白髭東住宅は重要な役割を果たしている都営住宅なんです。この住宅は40mの高さがあり、18棟を連担させて壁にしているんです。」
岩村:
「多くの人が避難すると思うのですが、18棟で足りるのでしょうか?」
渡辺さん:
「白髭地区の面積が38ヘクタールあり、10万人の避難を受け入れる対応が可能なんです。」
岩村:
「なるほど、十分確保できるということなんですね。」
渡辺さん:
「はい。この試みの凄い所はまだあります。火災が発生する時には、飛び火や火災による高温の熱にも気をつけなければいけません。
この建物は、13階建の鉄筋コンクリート製ですから建物自体が燃えないんですね。そして、建物と建物の間にはシャッターが設置してあります。シャッターで隙間を埋めて、火や熱を完全にシャットアウトします。ただ、そうすると人が逃げ込むことができません。その為人間が避難するためのゲートを分かりやすく作ってあります。大変な工夫がされているんです。」
岩村:
「なるほど、ありがとうございました!」

東京江東デルタ地帯についてのお話をお伺いしました。
次回も東京江東デルタ地帯について引き続き教えていただきます。

お楽しみに!

渡辺さんプロフィール

渡辺 実(わたなべ・みのる)

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機監理ジャーナリスト。株式会社まちづくり計画研究所所長、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。日本災害情報学会理事。国内外の被災地へ即座に入り、都市・地域防災へのアドバイスやマスメディアの災害報道への協力をはじめ、さまざまな角度から防災・減災に取り組む。全国の講演・研修活動を通じて各自治体や企業、市民の防災への取り組み方や課題も伝え続けている。著書『都市住民のための防災読本』『大地震にそなえる 自分と大切な人を守る方法』『高層難民』他多数、防災アプリ『彼女を守る51の方法』も監修。

詳しい内容は、日経ビジネスオンラインの記事でご覧いただけます。

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担当

岩村 友香里
(日本大学・メインパーソナリティ)

岩村友香里(日本大学・メインパーソナリティ)