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第4回 渡辺実のぶらり防災・危機管理【4】

防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実さんと岩村が丸の内を歩いてまいりました。

このコーナーは、日経ビジネスオンラインの「渡辺実のぶらり防災・危機管理」と連動しています。

今回は、「ニッポン放送」にてお話をお伺いしました。

渡辺実のぶらり防災・危機管理【4】

岩村:
「今回は、千代田区有楽町にありますニッポン放送に来ています。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さん、ニッポン放送報道部解説委員 森田耕次さんにお話を伺いたいと思います。
渡辺さん、災害が発生した時のラジオの役割について教えてください。」
渡辺さん:
「これは、昔から言われていますが災害直後の情報はラジオからしか得られないんですね。
災害時のラジオはライフラインとなります。電気が消えてしまうと、テレビももちろん見ることができません。災害直後の情報を取るためには、インターネットもありますが環境が整わなければ利用できません。でも、ラジオというのは電池で動く携帯ラジオがあれば情報を得ることができるんです。災害時のラジオというのはまさに命綱(ライフライン)であることを皆さんも考えないといけないと思います。」
岩村:
「なるほど。ラジオの役割とニッポン放送との関わりを教えてください。」
渡辺さん:
「東京には民放・NHKなど数多くのラジオ局があるのですが、当然ラジオ局は災害放送を法律で義務付けられているんですね。その中で、最も災害放送にこだわっている放送局で言うと、ニッポン放送はこだわりが強いと位置づけられます。」
岩村:
「では、森田さんにもお話をお伺いしたいと思います。ニッポン放送ではどのような取り組みをされているのですか?」
森田さん:

「今、渡辺さんからお話があったようにラジオ局は、防災機関ということで、ニッポン放送では東京・東京周辺で震度5強以上の地震が起きて甚大な被害が出た場合には災害特別放送に切り替わる会社の規定がすでにあります。その時には、CMも放送しません。すべての社員には緊急対応マニュアルを配布しています。

渡辺実のぶらり防災・危機管理【4】

ニッポン放送の取り組みとしては、防災システムをいくつか作っています。
例えば、学校安否情報といって、東京や神奈川の私立の学校と提携して『学校の建物がどうなのか?』『生徒さんはどうなのか?』という情報を学校から電話で伝えもらうという仕組みを作っています。これは672校41万人の児童・生徒が対象となっています。東日本大震災の時には150校から連絡がありました。150校は少ないかもしれないんですが、周りの学校も安全であろうという様に聞いている方が思うと考えると一つの安心報道になると思っています。ニッポン放送では、安心報道を心がけています。もちろん、大きな被害を伝えることも大事なのですが、ラジオは聞いている人との距離が近いメディアです。ですから、できるだけ身近な情報を伝えるのが大きな使命だとニッポン放送は当初から災害の報道の基本精神を持っています。

その他に、丸の内や新宿の界隈のビルとも連携をして、そのビルが大丈夫なのかどうかの情報を伝えるお勤め先安否情報という仕組みを作っています。それからタクシーのドライバーさんに防災レポーターになっていただいて、道路の状況などを伝えてもらうタクシー防災レポーター制度というのも作っています。
理容店防災ネットワークという都内の理容店ネットワークでは商店街などの状況を伝えて貰う。こういう仕組みをニッポン放送では作っています。

加えて、これは東京のラジオ局全体の仕組みなんですが、阪神・淡路大震災の後にラジオライフラインネットワークという仕組みを作りました。これはNHKを含めた東京のラジオ7(ラジオ7局)が一緒になって同じ放送をしましょうという仕組みです。特に、電気・ガス・電話・水道などのライフラインの情報を、各放送局がバラバラに取材をしますとライフライン各社も混乱し煩雑になってしまう為です。
毎年、9月1日と阪神・淡路大震災が起きた1月17日に各局一斉に訓練放送を行っていて、東日本大震災では初めて本放送されました。」

岩村:
「ラジオの役割やニッポン放送でどんな取り組みをしているかを教えていただきました。ありがとうございました!」

震災時のラジオの役割についてのお話、非常に勉強になる内容でした。
次回も、丸の内でお話をお伺いしています。

お楽しみに!

渡辺さんプロフィール

渡辺 実(わたなべ・みのる)

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機監理ジャーナリスト。株式会社まちづくり計画研究所所長、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。日本災害情報学会理事。国内外の被災地へ即座に入り、都市・地域防災へのアドバイスやマスメディアの災害報道への協力をはじめ、さまざまな角度から防災・減災に取り組む。全国の講演・研修活動を通じて各自治体や企業、市民の防災への取り組み方や課題も伝え続けている。著書『都市住民のための防災読本』『大地震にそなえる 自分と大切な人を守る方法』『高層難民』他多数、防災アプリ『彼女を守る51の方法』も監修。

詳しい内容は、日経ビジネスオンラインの記事でご覧いただけます。

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担当

岩村 友香里
(日本大学・メインパーソナリティ)

岩村友香里(日本大学・メインパーソナリティ)