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第2回 渡辺実のぶらり防災・危機管理【2】

防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実さんと岩村が丸の内を歩いてまいりました。

このコーナーは、日経ビジネスオンラインの「渡辺実のぶらり防災・危機管理」と連動しています。

今回は、「丸の内の地下街」にてお話をお伺いしました。

渡辺実のぶらり防災・危機管理【2】

岩村:
「地下という場所の危険性について教えて下さい。」
渡辺さん:

「東京・名古屋・大阪など大都市は4次元の街が作られているんですね。
普通の街、中央都市は平面つまり2次元。しかし、大都市は超高層ビルが沢山建っていますね。これは、天空に向かって1次元、今いる地下に向かってもう1次元の街があり、合わせて4次元の街が作られています。ここに大地震が襲ってくるとすると、4次元で防災対策を考えなければならないのです。

天空に向かっている高層ビルには、上に向かって沢山の人が積み重なって生活や仕事をしている人達がいます。
ここに大きな地震が襲ってきても、建物がつぶれたり、ひっくり返ることは近代建築としてまず考えられません。しかし、電気が止まります。
するとエレベーターが止まる。高層階にいる人達は、身動きがとれなくなって難民化します。
地上に降りるためには階段を使うしかなくて、階段で1度地上に降りると、二度と上がれなくなる危険性があります。これが、高層難民です。

また、地下にいる地下難民ということも考えられます。

ここに歩いている沢山の人がいます。今日の様に暑ければ、暑さを逃れて、また雨が降れば雨を逃れて、地下道や地下街を通じて移動していますね。非常に便利で合理性があります。
しかし、地下という空間は、大地震が起こると非常に危険な状態に様変わりします。
今は平常時ですから、明るいですよね。それは、電力で電灯をつけているから。
大地震が来て、電力が止まれば停電になり、当然真っ暗闇になります。

今日みたいに暑い日は、地下道も地下街も空調を効かせて冷やしている。冬は暖かくしていますね。
これも電力を使っていますね。
停電になるということは、地下道地下街が明かりを失うし、熱のコントロールも失う。
今、非常灯が見えていますが、あれは平常時の火災誘導の為にあるんですね。
中にバッテリーがあり非常灯が点きますが、せいぜい持って数十分なんですね。

真っ暗闇になると同時に、地下は迷路の様に作られていますね。
そして、地下道・地下街が別の地下道・地下街につながっています。
丸の内は、隣の有楽町まで地下道でつながりましたね。外に一切出ないで行くことができます。

これはとても便利なのですが、非常時は自分が一体どこにいるのか分からなくなってしまう。

そして、地下道・地下街の一番危険なのは火事です。

地下街には、店舗のレストランなどで火をつかっている可能性があります。
もし、火事が起こり地下街全体が煙突の様になってしまい、一酸化炭素中毒にかかる可能性の高い空間になってしまいます。

地上に逃げようとしても、階段は限られた場所にしかありません。

朝夕の通勤ラッシュの様に、沢山の人が駅から地下道地下街を使って自分の勤めるオフィスを行き来していますね。

この構造は、地下道・地下街同士がつながっているだけでなく、それぞれのビルにもつながっている。

そうすると、ビルで起きた火災がそれぞれのビルに入り込む可能性もあります。

近代都市4次元のうちのひとつである地下は、非常に大きな要素として大都市東京に存在しているのです。」

岩村:
「渡辺さん、ありがとうございました。」

地下の危険性、非常に勉強になる内容でした。
次回も、丸の内でお話をお伺いしています。

お楽しみに!

渡辺さんプロフィール

渡辺 実(わたなべ・みのる)

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機監理ジャーナリスト。株式会社まちづくり計画研究所所長、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。日本災害情報学会理事。国内外の被災地へ即座に入り、都市・地域防災へのアドバイスやマスメディアの災害報道への協力をはじめ、さまざまな角度から防災・減災に取り組む。全国の講演・研修活動を通じて各自治体や企業、市民の防災への取り組み方や課題も伝え続けている。著書『都市住民のための防災読本』『大地震にそなえる 自分と大切な人を守る方法』『高層難民』他多数、防災アプリ『彼女を守る51の方法』も監修。

詳しい内容は、日経ビジネスオンラインの記事でご覧いただけます。

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