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レポート部

第98回  日本財団「チームながぐつプロジェクト」参加者に聞く④〜オリーブプロジェクトと原発事故の裏側

5週に渡り、日本財団学生ボランティアセンター(通称:Gakuvo)の「チームながぐつプロジェクト」に参加した東京大学大学院修士2年 喜多 諒さん、青山学院大学4年 藤崎 優さん、Gakuvoコーディネーター 瀧 道子さんからお話を伺っています。
「Gakubo」「チームながぐつプロジェクト」についてはコチラをご覧ください。

 

第1週目は、自己紹介と東北ボランティアに参加するきっかけを話していただきました。
第2週目は、喜多さんに通算3回行った宮城県石巻市の活動についてお聞きしました。
第3週目は、藤崎さんに6月13日~16日の福島県いわき市の活動についてお聞きしました。
第4週目は、藤崎さんのお話の続きをお送りします。
「いわきオリーブプロジェクト」とそのご縁で知り合った、福島県広野町在住の元・消防士さんとのエピソードをお聞きします。
インタビュアーはまるちゃんこと法政大学の丸岡 美貴です。

 

活動中の藤崎さん
活動中の藤崎さん

「西の小豆島、東のいわき」オリーブを復興のシンボルに

まるちゃん:
「いわきオリーブプロジェクト」とはどのような活動なのですか?

藤崎さん:
日本ではいまオリーブオイルが注目されていますが、99%が輸入されているものです。残り1%は香川県小豆島産です。
いわきではオリーブオイルを作って、復興のシンボルにしようということで「いわきオリーブプロジェクト」があります。「西の小豆島、東のいわき」を目指しています。そのお手伝いをさせてもらいました。

瀧さん:
耕作放棄地を積極的に活用し、有機・無農薬栽培も目指しています。

活動の様子(左から二人目が藤崎さん)
活動の様子(左から二人目が藤崎さん)

藤崎さん:
けっこう肉体労働で汗を流して、印象に残っている活動の1つです。40℃近くあるビニールハウスの中で、1日半くらいずっとオリーブの苗木を植えていました。本っ当にきつかったですね。2本植えるごとにみんな外に出て、空気を吸いに行きました。でも、地元福島の方は毎日それをなさっているんですよね。計10本植えました。その時も地元の方がお茶を用意してくださいました。わたしたちへの心遣いには本当に感謝しています。

オリーブプロジェクトをお手伝いしたときには、行ったメンバーがたまたま4人とも女の子だったんですけど、男性との力の差を感じずにはいられなくて…(笑)腰痛いし、だんだん握力がなくなっていくのもわかるので、ここに学生が10,20人いてくれたら、もし男子がもっといてくれたらな…って思いましたね。

まるちゃん:
今ね、瀧さんが喜多さんの肩をガシって叩いてね、喜多さんがグーサイン!「やったぜ俺!」そういうムードを醸し出してくれました(笑)行ってください!いわきの方に!(笑)

「誰かが冷却水をかけなければ」「俺が行く」

まるちゃん:
「いわきオリーブプロジェクト」のご縁で、広野町の元・消防士さんのお話をお聞きする機会があったということですが、どのようなことを?

藤崎さん:
東日本大震災で、東京電力福島第一原発が水素爆発しました。そのままにはしておけない、誰かが格納容器に冷却水をかけなければいけない状況でした。

元・消防士さんから「冷却水をかけに行った」お話を聞かせていただきました。その方はご結婚もされていて、消防士としての経験も豊富だったので「俺が行く」と率先して水をかけに行きました。職場の後輩たちも「俺も行きます」とついていこうとしたら、元・消防士さんは「お前らはここで待っとけ。お前らはまだ結婚もしてないし、これからの人生がある。こんなことでこれからの未来を潰したらだめだ。俺はもう結婚もしているし、家族もいるから」とおっしゃいました。皮膚から放射能を浴びる隙をなくすために、身体中にガムテープを巻くんですよね。「絶対帰ってきてくださいね」後輩たちは涙を流しながら巻いたそうです。戦争の特攻隊のようだと思いました。涙が止まらなかったです。

まるちゃん:

福島第一原発の格納容器に冷却水をかけた元・消防士さん
福島第一原発の格納容器に冷却水をかけた元・消防士さん

わたしも初めて聞きました。2週目の喜多さんのお話にもあった「伝えることがボランティア」という役割を、いますごく果たしてもらっていると思います。瀧さんは元・消防士さんのお話を3回ほどお聞きしていると伺いました。

瀧さん:
聞くたびに泣いてしまいます。爆発が起きたけど、それが何回になるかわからない。誰かが水をかけに行って温度を下げなければさらに爆発のリスクが高まる。原発の電源が落ちているところで、誰かがいかなければ、もっとひどいことになる。「誰が行くか」そのときに「40歳以下の者は絶対行くな。俺が行く」元・消防士さんはおっしゃいました。普段、消防士として着ている防火服で行ったそうです。完全に放射能を遮断する原発用の防護服があるんですけど、あえて「動けないから着ない」選択をしました。防火服だと放射能が入るので、身体中の隙間にガムテープを巻きました。若い人たちは泣いていたそうです。冷却水をかけに行くたびに、身に付けている放射線のメーターが振り切れました。「逃げようと思いませんでしたか?」と伺ったら「誰かがやらないと。ならば俺らがやらないといけない」とおっしゃっていましたね。

まるちゃん:
このお話をわたしたちも語り継ぐ必要がありますね。

次週は、3人から大学生にむけてのメッセージをお聞きします。
なお、いわきオリーブプロジェクトについて詳しくはコチラをごらんください。

担当

丸岡 美貴(法政大学)

丸岡 美貴(法政大学)

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