HOME > レポート部 > 東京オリンピックが決定した中、東北の復興の遅れを若者は改めてどう考える?

レポート部

第53回 東京オリンピックが決定した中、東北の復興の遅れを若者は改めてどう考える?

 IVUSAでは、東日本大震災発生に伴い、宮城県石巻市金華山復興支援活動を行いました。期間は2013年9月3日から8日です。詳しくはIVUSAのウェブサイトをご覧ください。
 今回は、この活動のリーダーを務めた井上 哲貴(関西大学・3年)にインタビューを行いました。インタビュアーは丸山 沙織(同志社大学・4年)です。

泥まみれになって活動した井上
泥まみれになって活動した井上

丸山:
 宮城県石巻市金華山では、どのような活動を行ったのでしょうか?
井上:
 「金華山」というのは島です。この島は、東日本大震災のときに最も震源地に近かった島と言われています。島のほぼ全域が震域なんですね。そのため、政府からの援助が受けられない状態です。ボランティアによる復旧活動しか行われていないのが現状なんですよね。
 その中で、僕らIVUSAは、金華山の生活水の根源となっている貯水槽の土砂の撤去、黄金山神社の参道の整備をしました。それらをしていくうちに土のうが出るんですね。その運搬も行いました。
 活動中は、雨の日が多かったです。たぶん参加者全員が「想像以上に過酷な現場やなー」と思ったのは間違いないと思いますねぇ(笑)
 余談ですけども、金華山には「黄金山神社」というところがあります。今年は12年に1回のお祭りの年でした。最終日、みんなが疲れている中、朝5時に起きて参列させてもらいました。小一時間ほど正座なんですね。さすがに僕も堪えましたし、ある意味、活動よりも過酷でしたねぇ(笑)
丸山:
 活動をしていく中で、井上くん自身、どんなことを感じたんでしょうか?
井上:
 まとめると2つあります。
 一つ目は、この金華山復興支援活動は、僕らIVUSAにしかできないと思いましたね。人は多く入れる現場ですけれども、重機が入れないんですよね。そのためには、道の整備をしっかりしなくてはいけないんです。けれども、雨が降って、重機が入れないんです。
 こういう現場こそ、IVUSAの「人海戦術」が活きる現場だと思いました。バイトなどプライベートな事情はあると思います。IVUSAでしかできないことがあるんだったら、そうした予定をこじ開けてでも行きたいな、とは思いましたね。
 二つ目は、東日本大震災のことが、自分の中で、どれほど「淘汰」されていたか、というのがわかりましたね。2年半前の震災発生当時は、ほとんど震災のことしか考えていませんでした。なんとかしなければいけないと思っていました。今回の活動に行ってわかったことは、全然、震災のことを考えられてなかったな、ということなんですよね。
 「2年半」という時間は、すごく怖いし、あれほど震災について考えていたことを忘れてしまうんだな、と思いました。今回の活動が終わったあとに、日本各地で災害が起こっているんだったら、もっと自分自身コミットしていかなければいけないな、と感じました。
丸山:
 それでは、最後に井上くんの方から、リスナーのみなさんにメッセージをお願いします。
井上:
 東日本大震災のことを、やっぱりみんな忘れているんじゃないかなと思います。僕自身、正直2年半前の気持ちを忘れていました。今回の活動で、東日本大震災は歴史的に大惨事であって、本当に世界中の人々が忘れてはいけない出来事だと思いました。
 僕たちは、日本に生まれた、日本の学生ですよね。僕はいつも、他国の人に「東日本大震災の爪痕は大丈夫なの?どうなってるの?」と聞かれたときに、自信もって答えられるかな?という風に思うんですね。東京オリンピックが決定して、すごく日本が賑やかになって「よっしゃ行くぞ!」って気持ちになっています。
 一方で、東北の復興は遅れるという現状があります。この現実を、僕たち大学生、若者が、どう背負って、どう受け止めていくのが課題になるんじゃないか、と思いますね。活動の最後に温泉に寄ったとき、被災した方たちと話す機会がありました。その人たちは、東京オリンピックに反対でした。僕たちは、そういう人たちの話も聞いて、今後に繋げていけることを考えていかなければいけないと感じました。

担当

丸岡 美貴(法政大学)

丸岡 美貴(法政大学)