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レポート部

第37回 仮設住宅の現状と課題

 今回から2週に渡り同志社大学4年の丸山 沙織に東日本大震災の仮設住宅支援の体験談と今後の課題についてインタビューしてきました。インタビュアーは立命館大学3年の元原 悠貴です。

丸山 沙織 元原 悠貴
丸山 沙織(左)、元原 悠貴(右)

元原:
IVUSAで心に残っている活動はありますか?
丸山:
今まで沢山の活動に参加してきましたが、一番印象に残っているのは、東日本大震災の復興支援活動です。
元原:
いつ行かれたのですか?
丸山:
私は震災が起きてから半年後にIVUSAの活動で宮城県気仙沼市に行ってきました。当時は半年経ったとはいっても場所によってはヘドロ掻きなどのニーズがありました。
元原:
丸山さんもヘドロ掻きをされたのですか?
丸山:
いいえ、私は仮設住宅で壁の補強をしました。
元原:
学生でも壁の補強ができるのですか?
丸山:
はい。仮設住宅はとても簡単にできていて、壁は薄いし隙間だらけなのですよね。活動したのは9月だったので昼は暖かいのですが夜は冷え込むので、寒い風が入ってこないように隙間を埋めました。
元原:
なるほど、学生にもできる事があるのですね。その中で難しいなと思うことはありますか?
丸山:
作業内容が難しいというより、被災者の方々が住まわれている空間に入っての活動だったので、どう話しかけたら良いかとても戸惑いました。というのも部屋に入るとすぐに震災で亡くなられた御家族の写真や仏壇を置かれている方々も少なくありませんでした。ものすごくつらい経験をされた方を前にして、いったい自分という人間に何が出来るのだろうと思いました。
元原:
実際活動されていて印象に残ったエピソードはありますか?
丸山:
最初は何を話せばいいか分からなかったと先ほど言いましたが、集団仮設住宅では、玄関先にお花の鉢を置かれている方が多いのでお花の話題については盛り上がりました。私こう見えてお花について詳しいのですよ~
元原:
そうなのですか(笑)。
丸山:
その御宅の方もお花が好きで、震災以前もお花を植えられていたそうなのですが、津波によってすべて流されてしまったと悲しそうな顔で話されていたのが心に残りました。他にもいろいろお話を伺ったのですが、仮設住宅に苦しむ声というのも聞きました。
元原:
苦しむ声というのはどのようなものなのですか?
丸山:
あるお婆ちゃんは、隣の住宅の音が丸聞こえなので、夜も眠れないと言っていました。毎晩ヘッドフォンをつけて寝ていたとも言っていました。せっかく避難所から仮設住宅に入ってもプライバシーが守られていないし、問題点は尽きないなと思いました。これは半年経った時の事なので今は防音補強もされているとおもいますが、更なる問題が次々と被災者の方へのしかかってくると思います。
元原:
他に印象にあったことがあったら教えてください。
丸山:
仮設住宅に住む中学生くらいの男の子3人が各御宅をまわって話し相手になっていたのがとても印象に残っています。阪神淡路大震災でも高齢者が環境になじめずに自殺者や孤独死が多かったことが問題になりました。東北にも高齢者は多いですし、阪神淡路大震災の教訓をいかして、私たちのような若い年代がコミュニティ作りの中心になっていくのも大事だと思いました。
 私たちのようなボランティアが中心となって仮設住宅で料理教室を開催している地域もあるようですし、その点でなにか力になれると思いました。
元原:
ボランティアに出来ることもどんどん変化しているように思えますね。
丸山:
そうですね。実際私たちが訪れた震災から半年という時期はヘドロ掻きや瓦礫撤去などの目に見える活動から、被災者の心に寄り添うという目に見えない活動に移行している時期だったと思います。
 震災から2年経った今はボランティアの役割も変化しているのではないかと思います。地域によって復興の進み具合も様々ですし、一言で東北とは言わずに、その地域そこに住んでいる人たちににあったボランティアをしていければいいなと思います。

 このレポートは来週も続きます。

担当

宮本 将司(法政大学)

宮本 将司(法政大学)