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レポート部

第18回 被災地に学生が「元気」を置いてくる ~20年間の体験から~

 今週も先週に引き続き、IVUSA危機対応研究所の宮崎 猛志所長からのお話をお送りします。
 主に災害救援の現場にいくわたしたち学生をバックアップしてくださる宮崎所長は、とても心強い存在で、「宮さん」という愛称でも親しまれています。
 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災。当時IVUSAに所属する大学生だった宮さんは、現地でのボランティアに参加されていました。今回は、その時の体験が、現在の宮さんにどのような影響を与えたか、ということについてお話を伺いました。

阪神淡路大震災で現地にボランティアに行かれた経験は、その後ご自身の中でどう生きていますか?
 IVUSAの活動の柱の一つである災害救援活動の原点になっていますね。阪神淡路大震災の時には、車両を自分たちで持ち込む機動力が必要だ、ということになりました。これは、北海道南西沖地震(1993年)で救援活動をしたときの教訓です。電気・ガス・水道がない中で生活しますから、自炊をしなければいけない、作業するには様々な装備が必要になってきます。そのようなことの積み重ねが、今に至る災害救援活動のノウハウにつながっているのかな、と感じます。
 ちなみに、いま、IVUSAで使っている炊き出しに使う調理器具の寸胴鍋の中には、阪神淡路大震災の時にわたしたちが東京・浅草の合羽橋で買ってきたものもまだ残っているんですよ。
 阪神淡路大震災以降、国内の大きな災害に関しては、ほぼ全てで救援活動をしています。そこで得られたスキルやノウハウを、今の若い人たちや地域防災、大学のキャンパスや大学周辺の地域、コミュニティの防災の取り組みなどにもつなげていけるような活動が展開できれば、と考えています。
 また、IVUSAという組織が拡大するきっかけになった出来事でした。今のIVUSAの学生にとっては、IVUSAは大きな団体に思えますけど。僕らの頃は数十人しかいない団体でしたから。

被災地に学生が「元気」を置いてくる ~20年間の体験から~

わたしたち大学生に1番大事にしてもらいたいことは何ですか?
 若さから出てくるエネルギーやパワー、明るさを大事にしてほしいです。阪神淡路大震災以降、たくさんの災害救援活動に従事するボランティアが生まれました。そのような方たちと、災害の現場でお会いすると「学生ってズルい」という話になります。大人がどんなに親身になって、救援活動をしようとしても、現地の方はなかなか心を開いてくれないんですよね。もちろん、様々なものを失っているから、当然のことですが。
 そこにIVUSAの学生たちが行くと、パッとその場の雰囲気が明るくなって、地域の人たちが元気になるんです。それは、本当にみなさんにしかできないことです。IVUSAの学生に限らず、日本中の若い人たちに被災地に行ってほしいです。みなさんの存在そのものが、色々なものを失った被災地の方にとっては、生きるエネルギーとか、糧になっているんですよ。
 被災地に学生が「元気を置いてくる」ということは、今後もずっと大事に守っていきたいと思っています。
最後にリスナーの皆様にメッセージをお願いします。
 災害は日本のどこにいても起きることです。特に地震は自分の足下で起きてもおかしくありません。だからこそ、自分の近くでそのようなことが起きたとき、ぜひ、周りの人に手を貸してもらいたいです。
 逆に自分が災害に遭ったときには、負けないで頑張って欲しいです。きっと全国から多くの人が手を差し伸べてくれるので。若い人たちには「本当に自分が何かできることがあるんじゃないか」と思ったら、ぜひ行動を起こして欲しいです。何もしないよりかは、何も考えず、現場にいって汗をかいた方が、もしかしたら色んなものを得られるのではないかと思いますよ。

被災地に学生が「元気」を置いてくる ~20年間の体験から~ 被災地に学生が「元気」を置いてくる ~20年間の体験から~
被災地に学生が「元気」を置いてくる ~20年間の体験から~
阪神淡路大震災での活動の様子

担当

丸岡 美貴(法政大学)

丸岡 美貴(法政大学)