HOME > レポート部 > 宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み

レポート部

第12回 宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み

 今回は、宮城県気仙沼市にある地福寺の取り組みを紹介します。
 地福寺は、IVUSAでも救援活動に何度かいかせていただいているお寺です。
 地福寺では、地域の方たちと協力して「森の防潮堤」「いのちの森」づくりに取り組んでいます。
 今回はそれらの事業について、片山 秀光住職からお話を伺いました。

宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み

「森の防潮堤」とはどのようなものですか?
 「森の防潮堤」とは、堀を作って、こんもりとした丘を築き、そこに木を植えていくことで、それを天然の防波堤にしよう、というものです。そこには、震災のがれきも取り込みます。
 「森の防潮堤」は、景観がよくなるし、海にとってもいいです。もちろん、わたしたちの命や財産を守り、生物の多様性を生むでしょう。
 元々の発想は松島にあります。松島の島々は津波のパワーを減殺しました。島々が津波の力を分散させたのです。だから比較的被害が少なかったと言われています。松島には「森の防潮堤」のような働きがあったんですよ。
ですからわたしたちは、ぽこぽこと島々みたいに気仙沼の岩井崎・お伊勢浜地域の海岸に「陸の松島」を作っていこうとしているのです。
「森の防潮堤」を作るきっかけは何ですか?
 震災後、わたしたちの周りからは木がなくなってしまいました。漁師さんからはこう言われました。
 「木がなければ海がだめになる」
 防潮堤についての論議は続いています。コンクリートでの9.8mの防潮堤を作るという話が行政から示されました。しかし、地福寺周辺の地域は国立公園がそばにあります。ですから、景観も台無しだし、生物環境にも問題があります。そこで「自然と調和する防潮堤を作ろう」という提案を出したのです。
「海辺の森」とはどのようなものですか?
 丘の上に木を植えて、森を作っていこうという活動です。植樹に協力してくださる方は一般からも広く募集しています。生態学者の宮脇昭さんの「いのちの防潮堤」の発想を基本にしています。植樹の指導も頂きました。

宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み 宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み
植樹をする様子

「海辺の森」をつくる目的は何ですか?
 前にも述べた通り、一つには、自然と調和するような防災の実現です。そして傷めつけられた海岸を本来の姿に戻すことです。それには、緑と風と土と水が必要なんですよ。
 もう一つは、震災の風化を防ぐためです。木を植えることは「震災を語り継ぐこと」なんです。未来にずっと木は成長していきますから。20年後、30年後、植えた木はここに生き続けます。木の成長と同時に震災も語り継がれるんですよ。
 海辺の森が今後の防災や環境づくりの一つのモデルになり、三陸海岸という風光明媚な場所に広がっていくことを願っています。そこにジオパークや自然公園を作ったら、観光名所になり得るし、経済効果も生まれます。子どもたちの教育にもいいでしょう。この取り組みが進んでいったら、三陸沿岸は世界遺産になりますよ。夢みたいな話ですけど。
 「海辺の森」をつくるための第1回の植樹祭を今年の10月に行いました。多くの共感者が600人参加し、3000本の木を植えました。今後も積極的に行っていきます。「海辺の森」の植樹活動は、被災地復興の永続性のある応援になります。
 「海辺の森」づくりには皆さんの力が必要です。みなさんの参加をお待ちしています。

宮城県気仙沼市・地福寺の取り組み
地福寺 植樹祭

 地福寺の活動をもっと知りたい方は地福寺のブログをご覧ください。
 また、「海辺の森」の活動に関しては、「海辺の森をつくろう会」までお問い合わせください。

「海辺の森をつくろう会」 お問い合わせ先
 代表 菅原 信治様 090-6781-3634

担当

丸岡 美貴(法政大学)

丸岡 美貴(法政大学)