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情報部

第78回 防災に対するコスト意識

伊藤:
今回は担当だった石井君の代わりとしてIVUSA事務局の伊藤が参加させて頂きます。今回は防災を考えるうえで参考になる言葉ということで考えていこうと思います。皆さんは「日本人は水と安全はタダだと考えている」という言葉を聞いたことはありますか?

友清:
初めてですね。

丸岡:
聞いたことあります。

イザヤ・ベンダサン(山本七平氏)の著書
イザヤ・ベンダサン(山本七平氏)の著書

伊藤:
日本人の危機管理に対する認識について考える上で有名な言葉なんですけど、これはイザヤ・ベンダサンという方の言葉です。イザヤ・ベンダサンさんって聞いたことある? ユダヤ人のような名前ですけど実際は日本人なんです。日本人がユダヤ人の名前を使って「日本人はこういう傾向があるよね」というニュアンスの言葉を残したようです。日本名は山本七平という評論家です。
今は昔と違って水道をひねって安全な水が飲めますが、それでも世界の多くの国ではいまだに安全な水が飲めないところが多いし、水とは本来有料なものだという考えが定着しつつあります。
安全というものも日本人自体、あんまり安全のために費用をかけるという考え、起こってほしくないリスクのために備えるということはあまり得意じゃない傾向にあると思います。
この前、「防災の心理学」で取り上げた「人は自分だけは死なないと思っている」という山村 武彦(防災システム研究所所長)さんの本を紹介しましたが、そこでも「人は危機や災害に巻き込まれたときどういう心理になるのか考えないといけない」ということが書いてありました。それが防災の第一歩です。
そこと同じで私たちが危機に対してどういう気持ちになりやすいかを知る必要がありますが、特に日本人は防災にあまりコストをかけたくないという考え方があるようです。
ちなみに何で日本人は防災や危機にコストをかけたくないと思います?

友清:
日本は安全という固定観念が定着しているからですか。

丸岡:
生まれてこの方戦争や他国が攻めてくるという感覚を経験したことがないから安全は当たり前だって思うのかな。

伊藤:
ベンダサンも日本は海に囲まれ、天然の堀として守られているので中国みたいに万里の長城を作るとか、町を城塞で覆うことをしないでも異なる民族が攻めてくるという危機をほとんど経験せずに済んだからではないかと分析しています。
なので、日本人は危機対策のために自腹をきって備えるということは苦手みたいで国や行政など誰かがやってくれるんじゃないかといった傾向があります。
災害時は必ずしも誰かが助けてくれるとは限らないので、自分でコストをかけ対策するということも大切なんじゃないかという問題提起をさせていただきました。なんだかリサーチ部っぽくなってしまいましたが、すべては石井君のせいです(笑)
ということで、以上伊藤が担当させていただいた情報部でした。

担当

友清 渉(法政大学)

友清 渉(法政大学)