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第48回 歴史から学ぶ防災~関東大震災とセツルメント運動~

 今回の情報部は、以前放送した「歴史から学ぶ防災」シリーズ第2弾をお届けします。今回は日本のボランティアの源流について調べてみました。まず日本のボランティアの源流をお話しするには、日本で発生した大規模な災害についてお話ししなくてはなりません。
 それは今からちょうど90年前、1923年9月1日(大正12年)に発生した関東大震災です。午前11時58分に東京、神奈川等関東を中心に静岡までマグニチュード7.9の大きな地震が発生しました。
 そして倒壊した家屋からお昼時ということもあり、釜戸や七輪などお昼ご飯を作る際に使用した火が次々と家屋に燃え移り、大きな火災が発生。犠牲者数は約10万5千人と大きな被害を出しましたが、その9割が火災による犠牲です。

 当時の現場では季節風、強い風が吹いていてその風が炎を次々と燃え移らせ、さらに風と炎が竜巻となって町を襲いました。たくさんの人々が犠牲になりました。そしてこの関東大震災の後、復興のため日本の学生に「セツルメント運動」というものが広まりました。
 「1897(明治30)年に、片山潜が東京・神田においてセツルメント運動を始めた。セツルメントとは定住の意味で、貧困労働者が住む街に学生が入り、社会への関心を高めたり社会改革を目指したりしたものである。セツルメント運動が広まったのは、1923(大正12)年の関東大震災後である。阪神・淡路大震災のボランティア活動と同じように、関東大震災のときにも救援活動が行われた。東京帝国大学学生の救援活動が、東京帝国大学セツルメント(帝大セツルメント)に発展した。このほか、関西学院の学生も救援にあたった」(平成12年度国民生活白書第1部1章4節 - 内閣府)というものです。

 このセツルメント運動が日本のボランティアの源流と言えます。ちなみに東京帝国大学は現在の東京大学のことです。その学生たちが中心となり、主に仮設トイレの建造などで活躍し、東京帝国大学の学生以外にも様々な人が参加してボランティア活動を行いました。
 関東大震災から90年後、私たち学生は東日本大震災で様々な地域にボランティア活動に取り組んでいます。日本に大きな災害が発生し、惨状を目の当たりにしたとき「自分に何かできないだろうか?」という学生たちの想いは、昔も今もそしてこれからも変わらずにがむしゃらに受け継がれていくのではないでしょうか?
 もしかしたら関東大震災以前のそれこそ江戸時代の若者達もボランティアという言葉はなくとも、活動に取り組んでいたかもしれません。調べてみれば調べるほど歴史というものは面白い。「歴史から学ぶ防災」今後も続いていきますのでお楽しみに!以上、情報部でした。

担当

石井 将(国士舘大学)

石井 将(国士舘大学)