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情報部

第18回 気仙沼市でいただいた、20代に伝えたい言葉

 国士舘大学4年の飯山 純平です。今回の情報部では、私が実際に被災地へ災害救援に行った際の体験談をお伝えします。

 IVUSAは12月18日現在で、計28回の東日本大震災災害救援を行っています。
 私が災害救援に参加したのは、2011年4月22日から4月25日まで、宮城県気仙沼市で計4日間に渡って行われた第6次隊です。震災が発生した3月11日から約1ヶ月足らずの被災地は、本当に衝撃の連続でした。
 私は、この活動が初めての災害現場だったので、実際に現地の状況を見た事がありませんでした。ニュースで流れる現場の映像はあまりに壮絶で、とても現実のものとは思えませんでした。
 実際に現地入りしてみると、大きな川のど真ん中に沈んでいる家屋や、アパートの2階部分に軽々と刺さっている車には衝撃を受けました。また、衝撃的な光景に加え、私が印象に残っているのは、「臭い」と「音」でした。
 臭いはもちろん、テレビ画面では伝わりません。津波の被害を直接受けている地域に近付くと、鼻を突く様な異様な生臭さを感じたことを覚えています。更に、鳥たちの囀りがこだまするような静けさが相まって、普段我々が生活している住宅地とは別の世界に来たような感覚になりました。

川の中の家屋
川の中の家屋

 私が第6次隊で行ってきた活動は、津波の被害を直接受けたお宅にお伺いして、散乱している家財道具を運び出し、床板を剥がした後にヘドロを掻き出す、一通りヘドロが掻き切ったら、濡れている木材の土台部分に石灰を撒く、というものでした。私が入らせていただいたお宅では、約20人で一連の作業を無我夢中で進めていましたが、1軒分終わらせるだけでも、丸3日間という時間が掛かりました。
 そこで、3日目に一連の活動を終了させた後、お宅の方からいただいたお礼の言葉が、今でも心に残っています。

床板剥がしの様子 石灰撒きの様子
床板剥がし(左)・石灰撒き(右)の様子

 「初めは学生さんが作業に来ると聞いて、特に女性の方は汚い家具やヘドロを嫌がると思っていた。しかし、何の躊躇も無しにヘドロの入った袋を抱きかかえる様に運んでいる姿を見て、本当に感動した。私たち家族だけで同じ作業をしていたら、何ヶ月も何ヶ月も掛かったと思う。長年住んでいた家を手放すというのはとても悲しいけど、これだけ綺麗にして貰えたら悔いは無い!思い切って手放す自信がついた!本当にありがとう。」

 私は一連の活動の経験と、お宅の方のお話を聞いて、災害に関する考え方が変わりました。
 実際に被災地に救援活動に向かうことはとても重要であり、ニーズもあるものです。しかし、どうしても予定や都合が付かず、行きたくても行けないという方も多いと思います。実際に私も現地に何度も足を運べている訳ではありません。そんな中、私が重要だと思ったことは被災地での経験を伝える、ということです。その経験談が身近な人から人を伝っていくことで、被災地・震災の印象が変わるという人も出てくると思います。やはり、身近な人から聞く話が、一番心に伝わるものだと思います。

 現在は、震災から時間も経過し、世間の関心が薄くなっていることは間違いないと思います。しかし、被災地は完全に復旧、復興した訳ではありません。実際に被災地に出向くということも重要ですが、被災地での経験や実体験を人に伝えることで、震災を風化させない、ということはこれからもさらに必要だと思っています。

担当

飯山 純平(国士舘大学)

担当:飯山 純平(国士舘大学)